「感情と法律」について
では私は法律面から考えて見ましょう。
人権は、人の権利であって、生命の権利ではありません。
人権…とくに自然権と呼ばれる国家がなくても人の権利として存在しうる権利は、前国家的権利といわれ、「人は生まれながらにして持っている権利」といわれたりします。
ここで重要なのは、生まれながらと言うところです。
法律の世界では、人の私権は誕生を持って始まり、死によって終わります。(民法1条ノ3)
この私権と言うのは、人権の中でも"財産権"(憲法29条1項))のことです。
といっても、財産権にとどまらないのですが、後述で…。
で、まあ小話として…この誕生と死亡というのは厳密にどこからなのかという論争があります。
まず誕生から…。
1. 一部露出説
「お母さんのおなかの中からちょっとでも見えたら、人」と言う説です。
刑事事件ではこの基準で考えます。
見えた時点で直接的に有形力の行使(暴力のことです)が可能になるから、早い段階から人として保護してあげようと言う理由です。
2. 全部露出説
「お母さんのおなかの中から完全に出てきたら、人」と言う説です。
民事事件ではこの考え方を取ります。
刑事事件と違って、民事事件は財産上の権利関係を争うわけですから、一分一秒を争いません。確実に生まれて初めて人だと言うわけです。この説が一番基準が明確だからです。
3. 独立呼吸説
「赤ちゃんが独立して呼吸を始めたら、人」という説です。
父親が胎児のうちに死亡した場合、死産なら相続の対象にならず、お母さんとお父さんの両親が半分半分になります。生まれて直後に死んだ場合には、いったん赤ちゃんに相続してお母さんに相続されますから、お母さんがまるまるGETします。と言うわけで、呼吸もしないなら生まれたっていえないじゃん!という事でしょうか。この説のメリットは良く知りません(^^ゞ
次に死亡。
脳死だ。心臓死だ。…みたいに議論はあるのですが、今のところ心臓死で固まっています。臓器移植が難しいのはこのためです。
ちょっと厄介なので、これは省略しますね。
要するに、交通事故の事例では、妊婦が被害者の場合は民事訴訟になりますから、生まれたときから財産権を享受できると言うことになります。
さて、ここまで書いてなんですが…人権というものがそもそも生まれない限り必要がないから論議にならないのではないでしょうか。
俗に人権と呼ばれている物は、主に憲法第三章に書かれた権利です。
では順を追ってみていきましょう。
13条 幸福追求権 プライバシー権・日照権など憲法上明記されていない権利です。これはあるかもしれませんね。後で述べます。
14条 平等権…胎児のうちに差別されることで問題はあるでしょうか?
15条 投票権…20歳に満たないので無理ですね
16条 請願権…国にお願いをする権利です。胎児はお願いしませんね。
17条 国家賠償請求権…これは民法で請求可能です。
18条 奴隷的拘束を受けない権利…胎児が奴隷とは聞いたことがありません。
19条 思想良心の自由…胎児が「日帝はなんたらかんたら!!」っていってたら怖いですね。
20条 信教の自由…胎児がお祈りをささげると言う話はあまり聞きません。
21条 表現の自由・通信の秘密…あまり胎児は演説しませんね。
22条 居住移転の自由・職業選択の自由・国籍離脱の事由…胎児は勝手に引っ越しません。
23条 学問の自由…胎児は研究をしません。
24条 婚姻の自由…女子でも16歳までは結婚できません。
25条 生存権…健康で文化的な生活はおなかの中で生存できてますね。
26条 教育を受ける権利・教育を受けさせる義務…6歳までは無理ですね。
27条 勤労の権利・義務…胎児は働けません。
28条 勤労者の団結権…胎児はベア上げ要求をしません。
29条 財産権…損害賠償請求権・相続権は民法上特別に保護されています。
30条 納税の義務…お金持ってません。
31条 適正手続…胎児は死刑になったりしません。
32条 裁判を受ける権利…胎児に裁判はむずかしいですね。
33条 逮捕令状主義…胎児に逮捕令状は出ません。
34条 弁護人依頼権等…胎児は弁護士を雇いません。
35条 捜索令状主義…胎児に捜索令状が出るためには、胎児の財産権が認められなければ無理です。
36条 拷問の禁止…胎児は拷問されません。
37条 公開裁判を受ける権利等…裁判ができない以上、公開も何もありません。
38条 黙秘権…しゃべれません。
39条 事後法の禁止…悪いことできません。
40条 国家補償制度…無罪判決を受ける事態に陥りません。
この長さは酷いですね(笑)ともかく人として生きて存在しないと必要ないのです。
人権は「自由権」と「社会権」に分かれます。解りやすく言うと…
前者は、「いいから俺をほっといてくれ!!」権です。
後者は、「助けてくれ!俺をかまってくれ!!」権です。
といえば胎児に法としての人権が不要なのかがわかっていただけますよね。
というか、これだけ書けばよかったんですね。
でも、せっかく書いたので私には消せませんよ。(笑)
必要がある場合は、財産権位でしょう。プライバシー権は無理やり認めてもいいですが…。
それらのように胎児のプライバシーを公表して、これを裁判所が不当だと認める場合、不法行為(民法709条)として損害賠償請求権が発生します。したがって、前述の民法721条により生まれたとみなされて裁判ができるのです。
まとめ:胎児に人権など認めても意味がない。必要なことは、法律として生まれたことにして、人として相手に請求できるから問題はない。
こんな感じになります。いかがでしょうか?
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